新しい学習指導要領の案が、2008年の12月に発表された。現行の学習指導要領の授業時間削減に対しての批判もあって、数学の授業時間も増加することになった。
新しい学習指導要領では、数学的活動の強調と統計の重視が特徴的である。現行の学習指導要領では、全体的な削減のあおりで、特に中学校の統計がかなり手薄になっていた。
ただ、統計は使い方を誤ると、とんでもない結論を導くこともある。「統計は人にうそをつかない。でも、統計でうそをつく人がいる」のである。サブプライムローンから引き起こされた08年の金融危機も、その「うそ」によるところが大きい。だまされないために統計の知識を身に付けることが、現代人には必須であることが明確になったのが、この間の教訓ともいえる。