図形の組み換えによって一部が消えてしまう図形消滅パズル(increasing and decreasing areas)の一つで、トランプという身近なもので行うマジックであるため、効果的である。大阪経済大学の西山豊教授の考案によるもので、あるルールで切り分けられたうえで裏面に伏せてあるトランプをシャッフルして、そのかけらをバラバラにしてから、すべてを表に返して表面の模様を完成させようとすると、小さな正方形のかけらが一つ余ってしまうという不思議な事態が起こる(図「トランプのかけらのマジック」参照)。
このパズルでは、もともとの表面の図柄にトリックが用意されている。マジックを見せられる人はトランプの裏面しか見ていなく、当然、表面の図柄もふつうの通りだと思いがちだが、実は表面の図柄が、もともと一部を除いて乱されているのだ(図「トランプのかけらの種明かし」参照)。このパズルの場合、小さな差を積み重ねるためのポイントは斜めの線となる。