「パラドックス」という名の作品がある。図「タングラムのパラドックス」の上図のように正方形を七つに切ったものがタングラムで、それを下図のように並べたものがパラドックスである。このパラドックスは、同じ正方形であるにもかかわらず穴が開いている。この隙間はなぜできるのかというと、図「タングラムのパラドックスの種明かし」のように、タングラムの正方形とパラドックスの正方形を並べて比べてみれば、その理由が明確になる。明らかに、パラドックスの正方形のほうが大きい。タングラムの中にある小さな正方形の一辺の長さを1cmとすると、パラドックスの正方形の一辺の長さは3cmで、タングラムの正方形の一辺の長さは約2.83㎝である。見かけだけでだまされないようにしようというのが、このパラドックスの教訓である。