コッホ図形の一部分を拡大すると、同じ図形が出てくる。このような自己相似図形をフラクタル図形という。
r次元の図形を3倍に相似拡大したら、量は3r倍になる。しかし、図「コッホ図形」では、長さが4倍になるから、次元は整数ではなく、半端な「1.26」と考えられる。
つまり、次元が分数(fraction)である。
線の図形は、平面を覆い尽くすように複雑に入り組めば、フラクタル次元が「2」に近くなる。このことから、線図形が平面を覆っている割合を、フラクタルの意味の次元を用いて算出することができる。たとえば、ナイル川の蛇行は1.4次元、アマゾン川の蛇行は1.85次元と計算され、アマゾン川の方が流域の隅々を覆っていることがわかる。
都市の交通網が地域をどれだけきめ細かくカバーしているかも、次元で比較可能になる。元・埼玉大学教授の小山徹氏の試算によると、長崎市と京都市の(路面電車の次元/都市の次元)は、0.66と0.79とされる。