まわりと異なる状況の点のこと。例として、力学系における不動点や周期解、あるいは写像の折り目、関数の不連続点などがある。例えば、図「特異点」のような曲面の各点から、その高さの値を対応させる関数を考える。
図のA、B、Cは接平面が水平となり、極値の候補の特異点である(Aだけ極大値)。ここで関数を小さな範囲で変えてみると、A、Bでの状況は変わらないが、Cでは特異点がなくなる。A、Bを構造安定特異点(structural stable singular point)といい、Cを構造不安定特異点(structural unstable singular point)という。
この例では、構造安定特異点で切り口の形は劇的に変化する。この点からも特異点の研究は重要である。