加速した電子ビームを、磁場によって蛇行させるアンジュレーターを通過させて同期し、X線のシンクロトロン放射(synchrotron radiation 加速された電子が軌道を曲げられる際に光子を発する現象)をさせる。これで位相のそろった軟X線から極端紫外線のレーザー光を得ようとするものである。従来の放射光は各電子がばらばらに放射したものの寄せ集めであった。SPring-8(スプリングエイト Super Photon ring-8GeV 兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高輝度の放射光発生施設)を強化したX線自由電子レーザーXFEL(X-ray Free Electron Laser)は、2012年に本格稼動に入り、SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)と名付けられた。従来の強度の100倍にもなる100MW(メガワット Mは106=100万)の高出力であるために、短時間で検査試料の構造情報が得られ、結晶化が難しい細胞膜たんぱくなどの解析に活躍が期待されている。