宇宙物質の元素組成は、大半は星の核反応で合成され、例外的に一部の軽元素がビッグバン宇宙でできたと考えられている。原子核の核子(nucleon 陽子と中性子)当たりの結合エネルギーは鉄で最大であるから、鉄より軽い元素は星の内部での核融合にともなう核燃焼の「灰」として作られ、鉄より重いウランまでの元素は中性子が吸着する捕獲反応(capture reaction)で作られる。中性子は超新星爆発時に星の中心核の重力収縮で高エネルギーとなる電子が陽子に吸われて作られる。太陽系を作っている物質の元素は、太陽系が形成される以前にこの場所で起こった先代の恒星の爆発によって、星の中からまき散らされたものである。現在、いくつの爆発の混合なのかについての研究も始まっている。