マクロな物質を放置すると最終的に熱平衡(thermal equilibrium)に達する。熱平衡で成り立つさまざまな法則を原子分子が従うミクロな力学法則から導き出すのが(平衡状態の)統計力学(statistical mechanics)である。これは1901年にJ.ギプスによって体系化され、マクロ世界の経験法則である熱力学(thermodynamics)のミクロな基礎が明らかにされた。L.ボルツマンやギプスの統計力学は古典力学に基づいているので古典統計力学(classical statistical mechanics)であるが、量子力学に基づく量子統計力学(quantum statistical mechanics)に拡張することができる。