暗黒物質(ダークマター)の候補である、電気的には中性だが弱い相互作用をするWIMP(ウィンプ)と呼ばれる重い粒子を直接探索する実験が各地で行われている。通常の原子核との衝突でエネルギーの低い荷電粒子が発生するが、放射線よりもエネルギーが低いこの荷電粒子を検出することで暗黒物質を検出する観測となる。宇宙線などのノイズを避けるために観測は地下で行われる。日本では岐阜県の神岡鉱山の坑道に設置したXMASS(エックスマス)という検出器によって、この荷電粒子が液体キセノンを通過する際の蛍光を検出する。また、アメリカのミネソタ州の鉱山の地下に置かれたCDMS(Cryogenic Dark Matter Search)は、4mK(ミリケルビン 0K=-273.15℃)に冷却した半導体内の原子核とWIMPとの衝突で発生した電子、荷電粒子とフォノン(phonon 音の量子)の発生を検出する。他にも暗黒物質検出の観測がいくつか行われているが、確認はされていない。