荷電素粒子を電気的に加速する装置。原子核や素粒子の実験研究の主役だったが、近年、物質工学、化学、生命科学など広い分野の研究手段になりつつある。加速器の研究所として、ヨーロッパ連合のヨーロッパ原子核研究機関(CERN フランス語のConseil Europen pour la Recherche Nuclaireに由来)、アメリカ国立のフェルミ国立加速器研究所(FNAL ; Fermi National Accelerator Laboratory)、スタンフォード大学のスタンフォード線型加速器センター(SLAC ; Stanford Linear Accelerator Center)、ドイツの電子シンクロトロン研究所(DESY ; Deutsches Elektronen-Synchrotron)、日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)がある。
加速した粒子のビームを貯蔵しておく装置が貯蔵リングであり、磁場によって閉じ込めて貯蔵するため、シンクロトロン放射(SR ; synchrotron radiation 一定の軌道に沿って光速度に近い運動をしている荷電粒子が、磁場によってその軌道を変える際に電磁波を放射すること)を出してエネルギーを失うので、それを補う加速をする。コライダー(衝突型加速器 collider)は加速された粒子を正面衝突させて反応を研究する装置である。ターゲットを固定した場合に比べてより高いエネルギーの反応が見られるが、強度(流量)が小さくなる。同じ加速器の中で軌道を違えて加速して衝突させるタイプと、線型加速器(linear accelerator シンクロトロン放射によるエネルギー損失をなくすための数kmにわたる直線状の加速器)で加速したものを最後に二手に分けて逆向きに回して衝突させる方式とがある。