物質中を光が通過する際の効果は誘電率と比透磁率で与えられ、例えばレンズ効果などを決める屈折率は、両者の平方根の積で与えられる。物質の効果は原子の周期的構造に起因するものである。従来、屈折率は1より大きく、光速は真空中より小さいとされている。近年、人工的に微細な周期的構造を製造することによって、屈折率を負(マイナス)にしたり、位相速度を超光速にすることができる。こうした人工的に光学性質を改変した物質がメタマテリアルと呼ばれている。
負の屈折率であると波長より小さい構造が“見える”という近接場効果がある。人工的周期構造には透明物質の中に微小な金属の三次元構造体を埋め込むこともある。また、大きな屈折率の物質を作ることができれば、カメラなどの光学系のサイズを小型化、軽量化できる。こうした、光や電磁波は容易に発生させることができるものであり、開発が実現すれば、その利用範囲は大きく広がると予想される。