固体または液体を固定相とし、液体(特に有機溶媒)または気体を移動相として混合物試料を移動させ、各成分の移動速度の差を利用して分離する方法の総称。ペーパークロマトグラフィー(paper chromatography)は水を含む濾紙を固定相、溶媒を移動相としてアミノ酸の分析に、薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography)はシリカゲルの薄層をつけたガラス板上を用いて有機物の分析に用いられる。カラムクロマトグラフィー(column chromatography)はアルミナ、シリカゲルなどの固相カラムに、適当な溶媒に溶かした混合物試料を流し、試料と固相の吸着の強弱に応じて分離がなされる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC ; high-performance liquid chromatography)はカラムを加圧して分析時間の短縮と分離能の向上を実現した手法で、現在多くの研究室の主力分離精製手段となっている。ガスクロマトグラフィー(GC ; gas chromatography)は移動相にヘリウム等の気体を用い、気体、揮発性物質の分析に有用である。移動相に超臨界流体を用いる新手法は、高感度で短い測定時間が特徴である。ガスクロマトグラフィーに質量分析を組み合わせたGC-MS、液体クロマトグラフィー(LC)にNMRを組み合わせたLC-NMR(liquid chromatograph nuclear magnetic resonance)が実用化されている。