国立医薬品食品衛生研究所、医薬基盤研究所、および15社の製薬企業が官民共同で開発した安全性データベース(database of safety of compounds)で、約7億3000万件規模の登録データからなり、2007年4月から運用を始めた。さまざまな化合物について、遺伝子レベルで調べた毒性データなどを集めた。データベースの構築は02年度から開始。5年間で、国と参加企業の共同研究費合わせて、約53億8000万円をかけて作られた。同様のデータベースはアメリカのベンチャー企業も運営するが、この規模のものは世界で例がない。これまで、化合物の毒性は、多数の動物実験によって人体への影響を調べていた。だが、遺伝子レベルの解析なら毒性につながるわずかな兆候が見つけられる。新薬開発に際して、候補化合物のデータと登録データを比較し、副作用の可能性を予測したうえで、開発を続けるかどうかを決定できるので無駄が省かれ、開発が加速されると期待される。