加熱によって軟化するプラスチックの総称。原料のモノマー(重合性の単分子)をあらかじめ重合させたポリマー(分子量数十万から数百万の高分子)が主成分である。鎖状構造あるいは分岐鎖状構造をしており、加熱すると流動性を示すため、型に入れて成形した後、冷却すると硬化し、製品が得られる。製品は加熱すると再び軟化するので、不良品の再利用もでき、生活に広く浸透している。
たとえば、ポリエチレン(polyethylene)はエチレン(CH2=CH2)の付加重合で作られ、合成の条件により、非晶質のものと、結晶化度の高いものとができる。非晶質のものは農業用マルチフィルムなどに使われ、結晶性のものは耐寒性に優れているのでバケツやビールケースなどに使われる。ポリプロピレン(polypropylene)はプロピレン(CH3-CH=CH2)の付加重合で作られ、バンパーなどの自動車部品やフィルムとして使われている。ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)は塩化ビニル(CH2=CH2-Cl)から作られ、柔軟性や加工性を高める可塑剤(plasticzer)によってラップフィルム用の軟らかい材料にも、水道管用の固い材料にもなる。ポリスチレン(polystyrene)はスチレン(CH2=CH-C6H5)の付加重合体である。非結晶性で、透明度、硬度が高く、耐水性があり、台所用品などとして使われており、これを気泡で膨らませた発泡ポリスチレン(foam polystyrene)は断熱材に使用される。ABS樹脂はアクリロニトリル(acrylonitrile CH2=CH-CN)、ブタジエン(butadiene)、スチレン(styrene)の共重合体であり、日用雑貨、文具などに広く使われている。PETことポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)はテレフタル酸とエチレングリコールとの縮合重合で作られ、「テトロン(TETORON 東レと帝人の商標)」などの繊維やペットボトルなどに使われている。ポリアミド(polyamide ナイロン〈nylon〉)はたんぱく質と同様のアミド結合でできた高分子である。ナイロン6-6、ナイロン6が有名であり、強靱(きょうじん)性、耐油性、耐摩耗性に優れている。
その他にも、CDやDVDに用いられるポリカーボネイト(polycarbonate)、金属の代替材料にも使われるポリオキシメチレン(polyoxymethylene)、アクリル板などに使われるポリメチルメタアクリレート(polymethyl methacrylate)などがある。