生物を分類する際の基準単位。一般に動物では、互いに交雑して繁殖力をもつ子を生じる集団を種と定義している。しかし、そのほかにも地理的な隔離なども考えられ、ある生物群を一つの種とするか否かの判定基準は一義的に定義されておらず、研究者の総合的な判断に任されることが多い。いずれにしても、種は分類の基準単位で、現存する植物では40万種、動物では100万種以上が記載されている。この種の中で、類縁関係の深いものをまとめて属(genus)とし、属を集めて科(family)、さらに目(order)、綱(class)、門(phylum ; division)と、大きな群にまとめていく。学問的に種を表すときは学名を用い、ふつうリンネの考え出した二名法(binomial nomenclature)によっている。二名法ではラテン語の属と種の名を記す。ヒトの場合はHomo sapiensで、ホモはヒト、サピエンスは賢いという意味である。進化の道すじに従った生物間の類縁関係を系統(phyletic line)といい、種を系統によって分けることを自然分類(natural classification)あるいは系統分類という。