生物進化の仕組みを説明したJ.ラマルクの説。生物はよく用いる器官は発達して子孫に伝えられ、用いない器官は退化し、代を重ねることで違った生物になっていくという考え方で、用不用説(use and disuse theory)とよばれる。この説は19世紀初めダーウィンの説に先がけて発表されたが、生物が環境の変化で得た形質(獲得形質 acquired character)は遺伝しないことがわかり、否定されるようになった。ラマルクの主張を今でも支持している人びとや、ダーウィンのいう自然選択に反対する人びとなどの考え方をまとめてネオラマルキズムという。これは一定の考え方ではなく、ダーウィン説への反論として、進化は種により決まった方向に進むという定向進化説、また京都大学名誉教授・故今西錦司による説で、すみわけなどを例にして自然選択を批判し、突然変異も進化の要因として認めない今西進化説など、さまざまな考え方が一緒になったものである。