地球上の多くの分類群に属する生物が地質学的に比較的短い期間に大量に絶滅した現象。最近有名になったのは、先カンブリア紀からカンブリア紀にかけての期間にきわめて多数の奇妙な形態の多細胞生物が生存していたことが、カナダのバージェス頁岩層から化石で発見されたことである。これらの大多数は、現在の動物群のいずれにも属さないとされる。ほかにも、大絶滅は生物の歴史で何回か起こっている。最も大規模なものは古生代末期に起こり、当時の海洋生物の科の中で約50%は絶滅した。中生代末の恐竜類の絶滅もよく知られている。大絶滅の原因となるのは、地球内部のマントル対流の変動、隕石などの衝突などによる大規模な気候変動や、海面の変化などが考えられているが、不明な点も残されている。