ある生物の遺伝情報に基づいて生産されたたんぱく質のすべて。たんぱく質(protein)とゲノム(genome)を合わせた語に由来する。昨今、ヒトゲノムの解析が進んでいるが、ゲノムのDNA塩基配列とたんぱく質の関係が明確になっているのは30~50%にすぎない。生命現象で実際に働くのはたんぱく質であり、その働きは立体構造が関係する。従来、たんぱく質の構造解析は化学的にアミノ酸配列を決めるなどの方法が主であったが、最近では質量分析法など物理的な研究方法が開発されている。病変した細胞についてどのようなたんぱく質が働くか、あるいは抑制されるかなどを調べることにより、医薬品の製造などに有効な情報が得られると期待されている。