遺伝子の働きの変化がDNAの塩基配列の変化を伴わずに起こる現象を研究する専門分野。全く同じ塩基配列のDNAをもつ一卵性双生児間で一方のみが先天的異常をもつ場合などが知られている。この場合、先天性異常の遺伝子をもっていても一方では何らかの原因でその発現が抑制されていて、異常が発現しないと考えられる。抑制の仕組みは、塩基にメチル基が結合するメチル化、DNAが存在する染色体の凝固などが指摘されている。がんなどでも発がんを抑制する遺伝子の働きが抑えられることで、発病する場合もあるとされる。ヒトゲノムが解読されて以後、同一ゲノムでの発現の違いが注目されつつある。