細胞が生体膜を通して濃度勾配や電気化学的ポテンシャルの低い方から高い方へ、イオンや物質などを移動させる現象で、活性輸送ともいう。動物細胞とそのまわりの血液とのイオンの濃度を比べてみると、細胞内ではカリウムイオンの濃度が高く、細胞のまわりではナトリウムイオンの濃度が高い。そのような濃度差があるのは、細胞が細胞膜を隔ててカリウムイオンを内部に取り込み、ナトリウムイオンを排出する能動輸送を行っているからである。この場合は、ATPのエネルギーを用いてナトリウムポンプが働いている。小腸などからアミノ酸や糖などの養分を取り込む吸収や老廃物の排泄も、能動輸送の例である。