糸粒体、コンドリオソーム(chondriosome)ともいわれる。動植物細胞の細胞質内に広く存在し、ふつう幅0.3~0.8μm、長さ0.4~3.0μmの棒状、あるいは粒状の小体。呼吸作用を行う部分で、細胞のエネルギー源であるATPもこの中で多量につくられる。1個の細胞に含まれる数は細胞の種類により異なり、ネズミの肝臓の細胞では500~2500個、精子では10~25個である。外側はミトコンドリア膜で囲まれ、その内部の内膜は内側に向かってクシの歯のように突出し、この突出部をクリスタ(crista)という。内膜の内側を基質とよび、基質内にはDNAの繊維や顆粒が見られる。細胞呼吸に関与する酵素やATP生産に関係する酵素は基質と内膜に存在する。