棒状、好気性の土壌細菌で、植物の細胞に感染するとクラウンゴールという腫瘍や毛状根を形成する。これは、この細菌に含まれるプラスミドと呼ばれる遺伝子の働きである。近年、この細菌を利用して、植物の新しい品種をつくる試みがなされている。たとえば青いバラの花を咲かせようとする場合、バラは青色色素をつくる遺伝子をもっていない。そこで、パンジーなどの青色遺伝子をアグロバクテリウムのプラスミドに組み込み、バラのカルス(分化していない細胞塊)に感染させることで、青い花が咲くバラの個体を育てることができた。このように、アグロバクテリウムは特定の遺伝子を植物体に組み換えるのに利用されている。