同人雑誌「日本浪漫派」を中心とした復古的な浪漫主義の文学運動。中心的な存在に文芸評論家の保田与重郎がいて、亀井勝一郎、檀一雄、太宰治、萩原朔太郎なども参加した。日本主義、皇国主義の立場を取り、ナチス・ドイツの芸術思想に流れるドイツ浪漫派との親近性が強く、ニーチェ(1844~1900)、ヘルダーリン(1770~1843)などの思想を引き継ぐ面もある。
若き三島由紀夫が最年少世代だった古典主義の同人雑誌「文芸文化」や、日本の植民地だった「満州国」で発刊されていた「満州浪漫」なども関連グループといえる。戦後は長い間黙殺されていたが、保田与重郎の文庫版作品集や、近代浪漫文庫などが出版され、読書界に完全復活した。