文学者たちが作っている仮構的な社会のことで、文芸ジャーナリズムの世界というのに近い。明治の近代文学の誕生として文学者が輩出された頃から形成され始め、純文学の文壇や大衆文壇、詩壇、歌壇、俳壇なども形成された。菊池寛のように〈文壇の大御所〉と呼ばれるような人物も現れ、〈文壇にデビューする〉〈文壇人〉〈文壇政治〉〈文壇バー〉といったさまざまな使われ方をした。現在は、いわゆる文壇の崩壊、消滅が語られており、文学や文化にかかわる文芸関係のジャーナリズムはあっても、旧来の文壇はもはや跡を絶ったといってよい。文学者の組織としては日本文芸家協会と、日本ペンクラブの二つの組織、団体がある。