NPO法人本屋大賞実行委員会が、年に1回、その年に刊行された小説で、書店員がもっとも‘売りたい'‘読ませたい'と思ったものを投票によって決めるもので、全国の多くの書店が本屋大賞の受賞作や次点作、発掘作を平積みで店頭に並べるため、販売促進の効果はきわめて大きいと見られている。2004年の第1回は小川洋子の『博士の愛した数式』、第2回は恩田陸の『夜のピクニック』、第3回はリリー・フランキーの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』、第4回は佐藤多佳子の『一瞬の風になれ』、第5回は伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』で、いずれもベスト・セラーとなった。ただ、本屋大賞になったからベストセラーになったのか、売れ行きのよいものに書店員の票が集まったのか、判断の難しいところだ。文学の質を問わない人気投票に疑問の声もある。