フィクション(小説)とノンフィクションの中間ともいえるが、事実には基づきながらも、細部においては創作的な部分の多いものもある。普通に「小説」と名乗るものもあるが、ノンフィクション・ノベルなどといわれる場合もある。トルーマン・カポーティの『冷血』あたりからこうした手法が盛んとなり、日本では『復讐するは我にあり』の佐木隆三や、登山家の夫婦を描いた『凍』の沢木耕太郎などが、こうしたジャンルの開拓者といえよう。猪瀬直樹、佐野真一、斎藤貴男などが後続しているが、彼らの活躍の場としての「月刊現代」や「論座」の休刊(廃刊)で、ノンフィクション作品全体の発表舞台が狭まっているといわれる。