2009年に生誕100年を迎える作家たちのブームが起こっている。太宰治、松本清張、大岡昇平、埴谷雄高、中島敦などだが、これらのちょっと意外な顔合わせが、興味を引いているようだ。彼らは、1909年、すなわち明治42年の生まれだが、デビューの時期や死去した時期がまちまちのため、同世代の作家として、ひとまとめにして考えられることはほとんどなかった。太宰治や松本清張などは、その作品があらためて映画化(太宰作品の映画化は『斜陽』『ヴィヨンの妻』『パンドラの匣』)や、テレビドラマ化されることで話題になっているが、1909年生まれ作家群として、その共通性や差違をめぐる研究や批評なども出現しそうだ。