「悪人」は、朝日新聞夕刊に連載された吉田修一の新聞小説。単行本は2007年に刊行されたが、10年に李相日監督によって映画化され、主演の深津絵里がモントリオール国際映画祭で主演女優賞を受賞したことなどからブームとなり、文庫本上下巻合わせて100万部を突破するヒットを記録。映画も、国内のコンクールで高く評価された。また、「悪人」に続いて、中村文則の「悪と仮面のルール」、貴志祐介の「悪の経典」(→「山田風太郎賞」)、高橋源一郎の「『悪』と戦う」など、標題に「悪」のついた小説作品が話題となり、ブームの様相を呈した。