「自炊」とは、読者が購入した本を自分でスキャナーで電子化するもので、コピー機によるコピーや家庭におけるCDやDVDのダビングなどと同様、あくまでも個人使用に限定することによって著作権法の例外とされ、法的に許されている。問題は、そうした自炊の業務を有料で代行する業者の存在だ。彼らは1冊100円といった安価で、本の内容を電子テキスト化している。業者側は、本は1ページごとに断裁され、本としての機能を失うから、コピーと同様合法だなどと主張しているが、出版社、著作者側は、いったん電子化されたテキストがどのように流出してゆくか不明であり、「違法コピー同然」と断定している。2011年9月、出版社7社と作家・マンガ家122人は、自炊業者約100社に対し警告を含む質問状を送付。さらに同年12月、それに従わない業者2社への訴訟へと発展し、今後の展開が注目される。