ストーリーの後の展開を予想させる要素を、あらかじめ目立たぬように作中に仕組んでおく物語創作上の技法。現実においても、後事のために前もってそれとなく用意することを指すこともある。日本では、「南総里見八犬伝」「椿説弓張月」などを書いた曲亭馬琴(1767~1848)が物語創作上の技術論として掲げた「稗史小説七則(主客、伏線、襯染[しんぜん]、照応、反対、省筆、隠微)」の一つとして意識的に取り入れた。2013年に一大ブームを巻き起こしたNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」では、脚本の宮藤官九郎がこれを多用して、ドラマを盛り上げた。