修辞法、美辞学などと訳す。文章をその内容や論理ではなく、その主題や思想などをいかに効果的に伝えるかを外形的に整える技術のことをいう。もともとは古代ギリシャ・ローマにおける演説や弁論のための表現技術を指し、中世ヨーロッパに引き継がれた。具体的には、頭韻や脚韻を使う押韻法、俳句の5・7・5のように語音の数を整序する音数律や、発音の強弱高低長短(音調)などの組み合わせを考える韻律法、直喩・隠喩・換喩・寓喩などの比喩法などがある。転じて本質を伴わないうわべだけの表現、美辞麗句などを非難する場合にも「それはレトリックにしか過ぎない」などと使われる。