ロボットとはチェコの作家カレル・チャペックが1920年に発表した戯曲「R.U.R.」の中で使った造語のこと。奴隷、労働者を語源に持つ。人間が作ったAI(artificial intelligence)を内蔵し、環境に応じて、自己の認識機能に従い、運動反応を制御できる装置(デバイス)。人や動物などの有機物や、無機物の形態を持つ。あるいはプログラムそのものを指す場合もある。AIとはコンピューターに人間と同じ行動をするプログラムを作り、そのプログラムを人間の内的精神過程に見立てて研究する、1950年代に起こった研究分野で、認知心理学とも関係が深い。近年のロボティクス(robotics)の研究の動向は、ロボットをいかに人間に近づけるかというヒューマノイドロボットと、ロボットに人間のできないことをさせる非ヒューマノイドロボットの開発に大別される。日本におけるロボットの研究・開発は高水準にあり、ロボットの機能や目的に応じて、産業用ロボット、セキュリティーロボット、サービスロボット、介護・福祉ロボット、災害救助ロボット、エンターテインメントロボット、ペットロボット、医療ロボット、軍事ロボット、宇宙ロボットなどに分類される。宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)は、宇宙ロボットと人間が協力して独自の活動を進めることを長期的目標に掲げている。ペットロボットなど、特に人間に楽しさ、親しみ、癒しなどのポジティブな感情を抱かせることを目的としたものは、メンタルコミットロボットと呼ばれる。今後人間とロボットのインターフェースはますます複雑化し、共存・共生のためによりよいコミュニケーションについて考えていく必要があろう。