女性特有の心身の症状に対して、女性医療スタッフが診察・検査・治療する機関のこと。医学的診療、カウンセリング、健康相談に加えて、最近ではアロマテラピーや鍼灸、マッサージの代替医療を受けられるようにし、健康・美容に関しても総合的な診療ができるようになっている。完全予約制で一人の診察に30分~1時間とじっくりと女性同士で話せるのが特徴である。治療を求める患者の代表的な症状には、更年期障害がある。更年期障害は、40~50歳代の女性の閉経に伴う、女性ホルモン、エストロゲンの分泌低下に起因する障害をさす。症状としては、のぼせ、ほてり、発汗、頭痛、めまい、耳鳴り、関節痛、焦燥感、不安感などの不定愁訴(unidentified complaints)を示すのが特徴である。ホルモン補充療法(hormone replacement therapy;HRT)が対症療法であるが、更年期障害の症状の程度には個人差があり、ライフイベントなどの心理的要因がかかわっている。例えば、子どもの独立、親の介護や死別、仕事の転機、夫の仕事の転機などである。また、抜け毛、体形の変化など身体像(body image)の変化は、女性の自己意識に影響を与える。