植物の花、葉、枝、茎、根、種子、樹皮などから抽出した精油の効能と香りを、心身の健康増進に補助的、予防的に役立てる療法のこと。一般的には、精油を、お香、入浴剤、マッサージ液として利用する方法がある。香りは呼吸器や皮膚を通して、自律神経系、内分泌系、免疫系に作用する。千葉県のがんセンターでは、患者の不眠や痛みの緩和にアロマテラピーを行い、睡眠導入剤や鎮静剤の使用量を減らすことを試みている。また医療機関以外でも、主に化粧品メーカーからアロマを商品化するブームが起こっている。各種お香のほか、杉やヒノキに含まれるセドロールという成分が副交感神経系に作用し、緊張を低減させることから入眠・熟眠補助のための化粧水や入浴剤、また脂肪燃焼効果のあるグレープフルーツやラズベリーを利用したダイエット用美容関連商品、生花とアロマを組み合わせたフラワーアレンジメントなどが、発売されている。香りには嗜好(しこう)の個人差があり、個人用リラクセーション法として有効である。しかし元来医薬品としてのアロマには禁忌(タブー)などもあるので、効能や成分、使用上の注意をよく調べてから利用する必要がある。