キャリアとは本来「経歴」「履歴」をいうが、キャリア・カウンセリングの領域では「一個人の人生を構成する一連の出来事、個人が関与する職業その他の一連の役割・地位」(D.E.Super,1976)の意で用いられている。このキャリアを展開、発展させるのがキャリア開発(career development)であり、より一層の向上をサポートするのがキャリアアップ支援で、ともにキャリア・カウンセリングの重要な機能である。アメリカの職業指導に端を発したこのキャリア・カウンセリングを旧労働省は「労働者個人が、自己の既得の能力、適正等を把握した上で、生涯にわたるキャリア形成を設計し、そのために必要な将来の自己啓発を含めた能力開発プランを立てることを、専門的見地から助言等することにより援助すること」と定義している。同類語にコーチング(coaching)、メンター制度(menter system)などがある。前者は特定の態度、接触方法等(例:落ち着いて話す)を具体的に習得させる技法であり、後者は師匠(メンター)が弟子を指導するような形のシステムをいう。