犯罪情報分析を行い、容疑者の特定のために役立てる技法のこと。連続殺人犯、婦女暴行犯、児童誘拐犯、放火犯、爆弾テロの特定などに特に効果を発揮するが、動機の不明瞭な事件の分析についても役に立つ。プロファイリングの技法には、心理学を発展させて、手口などから、犯人の性格、動機など人物像を想定するアメリカ式と、統計学を応用し、過去の犯罪のデータの犯行の場所や時間帯、手口、遺留品から、多変量解析的に、犯人の居住地域、活動地域、次の犯行場所などを割り出すイギリス式がある。完全に容疑者を特定できるわけではないが、捜査の手順の優先順位をつけることに威力を発揮する。例えば、日本でのある地域の放火犯の15年分の資料の分析からは、放火犯には30歳代前半の者、転職経験者、男性の未婚者、単身生活者が多いことがわかっている。また放火犯罪の動機は、日常生活における人間関係の不満や怨恨の発散が多く、居住地域において放火を行う確率が高く、連続放火犯罪の場合には件数を重ねるごとに移動距離が短くなるということがわかっている。