神経発達障害の運動障害群の一種。多発性の運動性チックと言語性チックが合併したもので、12カ月以上続くもの、発症は18歳以前のものを、トゥーレット障害という。チックとは、数回続くまばたきや肩すくめ、せきばらいなど、反復的かつ無目的に起こる発作のことをさす。運動性チックには、頻繁にまばたきをする、顔の筋肉が引きつる、首、手、足に力を入れたり、震わせたりするものから、自分をたたいたり、顔をしかめたりするものがある。一方、言語性チックには、うなる、ほえる、のどを鳴らす、鼻を鳴らす、自分や人が発した単語を繰り返すなどがある。これらは、本人が意識的にコントロールするのが難しい癖である。トゥーレット症候群は男性に多く発症し、遺伝的要因の関連も示唆されており、薬物療法の治療が必要である。2013年アメリカ精神医学会が出版したDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)で、トゥーレット症候群は、神経発達障害群(Neurodevelopmental disorders)のうち、チック症候群にカテゴライズされた。