ある種の人間関係を病的に渇望し、それに依存する傾向のこと。例えばアルコール依存症の夫を持つ妻や、DV(ドメスティック・バイオレンス)関係にある妻が暴力に悩みながらもその夫の世話を焼く役割をどうしても手放せないなどである。この機能不全家族の状況は夫婦関係だけではなく、子どもの人格発達にも影響を及ぼす場合があり、自己評価が低く、周囲からの見捨てられ不安が強く、過剰適応しようとする子どもをアダルト・チルドレン(AC)と呼ぶようになった。このような家族病理が原因で、生きにくさの感情をいだいている人は、なぜ自分は病理的対人コミュニケーションパターンを身につけるようになってしまったのか、家族以外の第三者との対話を通してふりかえり、病理的家族関係を乗り越え、自尊心を再形成することが重要と思われる。