人が不確実な状況下で、環境における危険性を予測・事前評価する様式のこと。「安全・安心」を求める心理がかかわっている。リスク認知は、(1)恐怖、(2)未知、(3)制御不可能性の因子から説明できうるとされる。現代社会では生命や健康を脅かす出来事が日々発生しているが、それら出来事の実際のリスクの大きさと、人々が知覚するリスクの大きさとは必ずしも一致していない。その理由は、リスク認知には認知的バイアス(cognitive bias)があるからである。一般的に死亡率の高いがんや冠動脈疾患よりも、新型インフルエンザウイルスの感染で死亡する危険度を過大評価し恐れる例や、また一般的に死亡率が高い自動車事故よりも、より発生率の少ない航空機墜落事故の危険度を過大評価して飛行機を恐れるなどがその例として挙げられる。