ある特定の化学物質を病的に希求する精神障害のこと。薬物依存は入手しさえすれば、摂取してすぐに快感が得られ、急速に身体的依存と、精神的依存を引き起こすため、一度使用すると意思の力で摂取をやめることは困難をきわめる。依存性の高い薬物には、覚せい剤、コカイン、大麻、合成麻薬、脱法ドラッグなどがある。その背景にはインターネットによる取引が増えるなど、誰でも入手しやすい環境があり、薬物使用に対しての心理的な抵抗感が薄れているためと考えられる。2013年アメリカ精神医学会が出版したDSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き第5版)で、物質関連障害群(Substance- Related Disorders)となり、アルコール、カフェイン、大麻、幻覚薬、吸入剤、鎮静剤・睡眠薬・抗不安薬、精神刺激薬関連障害が下位カテゴリーにある。