睡眠時呼吸障害の代表的疾患の一つ。鼻と口での換気の頻回停止に伴い、腹部・胸部の呼吸運動が停止する中枢型と、鼻と口での換気は頻繁に停止するものの腹部・胸部の呼吸運動は停止しない閉塞型、それらの混合型に分類される。随伴症状としては、大きないびきがある。睡眠そのものが妨げられるため、不眠を訴える場合もあるし、十分に眠れないために疲労がとれず、日中に眠気、倦怠感、作業効率・記憶力・集中力の減退、抑うつ感情がみられる場合もある。このため成人では、職務に支障をきたす場合がある。特に深夜早朝業務、長距離運転業務に携わる場合は、職務遂行にあたり、損害や身体の危険が発生する可能性があるため、睡眠外来等での終夜睡眠ポリグラフ検査が推奨されている。SASの発症と顔の骨格特徴の関係についても検討されている。顔が幅広で顎(あご)が角張ったタイプは、肥満するとSASが起こりやすいが、日本人に多い、細長形で顎が引き気味かつ小さいタイプは、肥満でなくてもSASを発症することがある。