自分が行為の主体であるという認識を持って、あるパフォーマンスを達成するための一連の行動を組織化し、自分が行為をコントロールできている、課題を達成できるだろうという自己評価のこと。心理学者バンデューラ(Albert Bandura 1925~)は、自己効力を社会的学習理論(social learning theory)の鍵概念として提唱した。自己効力は、ある行動がどのような結果を生み出すかという結果予期と、ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまくできるかという効力予期に分けられる。自己効力はモチベーション、自尊感情(self-esteem)や楽観性を高め、抑うつや不安を低減する。加齢に伴う身体的・認知的機能の低下によって、自己効力を低下させないためには、高齢者が対応できる部分は本人に任せる「選択的最大活用」や、できない部分の補助が重要と考えられる。