若者の使う集団語、隠語、俗語、流行語などの総称。若者は活力旺盛な日常活動のなかで、独自のことば遣いを作って、自己認識を表現し同世代の連帯意識を高める。それは、敬語の揺れ、「ら抜き」「ふいんき(雰囲気)」にみるように、語法、文法、発音の規範を逸脱する。また、「超」「マジ」「的」のように新連語法を作ったり、「やばい」「情けは人のためならず」のように既存の意味を変えたりする。外来語も「マクる」(マクドナルドに行く)「チキる」(おびえる。チキン=弱虫)のようにひとひねりする。「ノリ」「キレ」のようなメタファーもおもしろい。若者ことばは言語学的には不思議なことではなく、例えば「ふいんき」には「さざんか」(山茶花さんさかの音変化)という先例がある。英語ではaskはaxと同音のこともある。若者ことばは言語変化の最先端であるので、その進行状況を観察する手段として興味深い。