非言語伝達のこと。人間はことばだけで伝え合いをするのではなく、身振り手振りを適切に交える。このように、非言語媒体はことばに付随して、ことばそのものの働きを補足し強化している。ジェスチャーは専門的にはいろいろなタイプに分けられる。言語学習で重要なのは、語彙的な性格をもつエンブレム(表象的動作)である。これらは個人的なしぐさではなく、特定の集団の共通語彙となっており、時にことばの代用となる。日本語を学習する外国人なら、「私」「怒る」「ひじてつ」「左うちわ」「ゴマすり」「お願い」「まゆつば」「バツ」「くび」(首に手刀)といったものを知る必要があるだろう。日本人が中国語を学習するときには、親指と小指は「男」「女」ではなく、「大きい」「小さい」の意味であることに注意しなければならない。ジェスチャーは認識や文化と密接に結びついている。