少数言語を消滅に追い込む言語のこと。英語がその急先鋒といわれているが、ほかにもスワヒリ語、中国語(北京語)、インドネシア語などの広域コミュニケーション言語(language of wider communication)にも、このレッテルが張られている。国語や公用語(official language)は少数言語(minority language)の役割を狭め、その使用を先細りさせる。現在、世界には約6000種の言語が存在するが、21世紀中にその半分以上が消滅すると考えられている。同時に、興味深いことに、少数言語の話し手は多数言語に言語移行(linguistic shift)するなかで、独自の言語文化的特徴を持ち込む。オーストラリアのアボリジニは英語にシフトすると、オーストラリア・アボリジニ・イングリッシュ(Australian Aboriginal English)を創造する。そこには先住民のエトスが宿り、文化の再生の道が模索されているかのようである。このような現象は生態言語学(ecological linguistics)の新しいテーマになるだろう。