言語の衰退を防止しようとする努力。現代の多言語接触状況では、(国際)競争力の高い言語が他を駆逐する傾向にある。絶滅の危機にあるのは、先住民言語だけではなく、スイスのロマンシュ語、ユダヤ人のイディッシュなどさまざまな曲折を経たものも含まれる。保持努力の顕著な方法は、特定言語の使用を義務づける法的介入である。スペイン・カタルーニャ自治州ではスペイン語とカタルーニャ語を対等に扱っていたが、先ごろカタルーニャ語を行政、教育で優先することにした。国語がスペイン語で、同州住民の半数はスペイン語を母語とするにもかかわらず、カタルーニャ語の保持、振興を目的とした措置である。フランスでは、外国企業にも社内の業務文書などにフランス語の使用を義務づける法律を作っている。主として英語化を防止する狙いである。いずれの場合も新たな問題を生んでいる。