英語を母語としない人々が話す英語。英語の話し手は母語話者よりも非母語話者のほうが圧倒的に多い。日本人は国内外で、英語をアメリカ人やイギリス人とよりも、アジアの人々と使うほうがずっと多くなっている。アジア人どうしだとお互いにノンネイティブ・スピーカーなので、気軽に英語を話せるようになる。ネイティブ・スピーカーの規範をあまり意識しないので、緊張感が薄れ、自由に話せるのである。日本人は英語教育のなかでこの事実をもっと大切にして、アジアにおける英語コミュニケーションの問題を本格的に考えるべきであろう。日本人とタイ人が英語で話すとき、日本人は日本人らしいしぐさで、日本人らしい英語を話すし、タイ人はタイ人らしいふるまいで、タイ人らしい英語を話す。これはごく自然なことなのである。アジアの人々はこれを前提として、お互いに英語による相互理解の訓練をすべきであろう。