インターネットや携帯電話でのコミュニケーション。ここにことばの使い方の大きな変化がみられる。特に、ネットの掲示板に書き込み(力キコ)する文章は、「新しい」を「新すい」としたり、フォントいじり、隠語、顔文字、記号などを多用して、独特の傾向がみられる。普通に書くほうが簡単なのだが、こういう操作で仲間意識を高めているこのようなチャットことば(打ちことば、メールことば)は、書きことばはもちろんのこと、話しことばとも大いに違う。対面型(F2F=face-to-face) の会話では、お互いに相手のしぐさ、表情、声調などの非言語手がかり(nonverbal cues)を考慮してコミュニケーションを調整するが、サイバースペースではそれができないので自己中心的にならざるをえない。ネットの不完全性を適切に理解し、相応のマナー(ネチケット netiquette)を守る訓練が早急に求められる。