医療ことばは、一般の人には分かりづらい。国立国語研究所はこれをうけて、専門委員会を立ち上げ、難解な医療用語を患者に分かりやすく説明する手引きの中間報告をまとめた。これらは3類に分類される。分類Aは日常語に言い換えるべきことば。「寛解」は「病状が落ち着いて安定した状態」。分類Bは明確に説明すべきことば。「既往歴」は「これまでにかかった病気や手術(などの診療の記録)」。分類Cは重要な概念なので普及させたいことば。「インフォームド・コンセント」は納得診療といわれても、まだあいまい。「納得できる医療を患者が主体的に選択するという考え方」。従来、医療ことばは医療者側の専門用語であり、それがそのまま患者に使用されていた。そこに両者間のコミュニケーション・ギャップが生じた。良質の医療を提供するためには、双方に理解できることばが求められる。これは他のサービスの提供者と受け手間の関係についてもいえる。