人間が日常のコミュニケーションで使っている言語(自然言語)をコンピューターによって理解・処理する技術のこと。言語学と人工知能(artificial intelligence)のフュージョンである。実際、この技術はかなり進展しており、コンピューターでの情報検索や検索エンジン、校正やスペルチェック、かな漢字変換などは、これを実用化したものである。また、音声認識や音声合成の研究も進んでいる。それは、日本では、カーナビの音声入力にみられる。アメリカでは、コールセンターの自動音声対話処理が実用化されている。ワープロへの音声入力もある程度うまくいくようになっているが、人間どうしが自然におこなう会話音声の認識率は低い。また、機械翻訳(machine translation)の研究も推進されているが、これはまだ精度が低く、限定的にしか使用されていない。自然言語の談話や文は、発話のコンテキストのなかに埋め込まれており、意味の解釈はそれらを総合してなされる。コンピューターがこれをどう処理するかに期待が集まるとともに、機械翻訳の精度を高める研究が求められている。